作兵衛さん(東京都)
投稿日: 2017年9月3日
4点
情緒的な表現になってしまいますが、何といっても、エモーショナルなスタイリングと、走行感覚に尽きると思います。これが、200万円前後で入手出来るなんて、良い時代になったものです。スペック自体、全く大した事もなく、絶対的には速くも無いのですが、きちんと回転を維持し、ズボラな運転をしなければ、しっかりとドライバーに応えてくれるエンジンです(細かい不満はありますが)。脚がしっかりと動いており、角の取れたしっとり目の乗り味です。一方で、法定速度プラスアルファの領域や、ワインディングで気持ちよく走る程度では、全く不安を抱かせません。懐の深いシャシだと思います。
納車から約2年が経っていますが、全く壊れる気配がなく、思いのほか信頼性が高いです。過去に所有していた仏車は、明らかに虚弱体質(良く壊れました^_^;)だったのですが、新しい装備が少ない事も相まって、普段使いに十分耐えうる品質を持っていそうです。ディーラーの方も、日産の親会社になって以降、部品(特に電装品)の品質が劇的に向上したと仰られていました。
足車として見た場合に、割高な部品費・工賃が気になります。部品費はやむを得ないとして、日産系のディーラーにもかかわらず、ルノーの看板を掲げただけで、工賃が跳ねあがるのは何とかしてもらいたいところ。
欠点を織り込んだうえで、購入した為、車自体に大きな不満はありませんが、同一クラスの国産車(特にフィット等)と比較すると、後席居住性・ユーティリティでは大きく負けていて、後席に大人を乗せての長距離走行は厳しいかもしれません。また、大胆な絞り込みによる魅力的なリアビューとの引き換えに、後方視界・リアシートの解放感はあまり良くありません。
MT仕様の為、3気筒・0.9Lのダウンサイジングターボ搭載車の為、エンジン始動時・アイドリング時のエンジン音は、やや安っぽい感じがします。燃費に気にせず、回して楽しんでいる事が大きいと思いますが、エコカーとして見ると、燃費は今一歩。また、小排気量ターボの為か、回転フィールがやや大味(アクセルレスポンスが良くない領域があり、トルクコントロールに精緻さが不足)な所があります。この辺は、VW系のダウンサイジングターボの方が、明確に良いですね。
何といっても、エモーショナルなスタイリング・走行感覚に尽きます。レーティングをすると、それなりの点数になってしまいます(=万人に進められる訳ではありません)が、それを補って余りある良さがこの車にはあります。ユーティリティ・実用性を求める方には、刺さらないと思いますが、日常生活に彩り、スパイスを与えたい方には、良い選択肢だと思います。
ユーティリティ、走行性能等、国産車ではデミオに近いと思いました。デミオを検討中の方には、是非、候補車に加えていただきたいと思います。(購入時に、検討しましたが、デミオの方がドイツ車ライク=キッチリ、精緻なイメージでした。ルーテシアの方が、良くも悪くもユルイ・エモーショナルです。)
最近、安全性・環境対策等で、走りを楽しめる車が少なくなっている中、MTの設定を残してくれているルノージャポンに感謝です。
車を運転する、プリミティブな悦びを思い出させてくれます。Bセグということで、色々コスト制約が大きいと想像しますが、車としての基本性能がしっかりしていると感じます。(もちろん、内装は相応にチープですが。)
居住性はあまり良くはありませんが、乗り味が良く、予想外の挙動が少ない&クルコンが付いている為、長距離ツーリングでもあまり疲れません。鼻先が軽い為か、ハンドリングは良好で、きちんと荷重移動をイメージすれは、きれいに・気持ち良く曲がれます。
経済性・ユーティリティ観点では、選択肢となり得ないですが、基本性能がしっかりとしていて、日常に彩りを与えてくれる実用車として、稀有な存在だと思います。
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